【相続・遺言 第47回】実際にあった追徴課税の事例①~「名義預金」とされたケース~
■ 事例の概要
被相続人:父(80代)
相続人:母・長男・長女
財産:
・預金 約5,000万円
・自宅不動産
一見すると、特に問題のない相続でした。
■ 生前の対策(家族の認識)
父は、
「子どもたちに少しずつお金を渡したい」と考えて、
・長男名義の口座
・長女名義の口座
に、毎年100万円ずつ入金していました。
■ 家族の認識
長男・長女ともに、
・口座の存在は知っている
・しかし管理は父任せ
・自由に使ったことはない
→長男・長女は「もらった」という意識が薄い
■ 相続時の申告
税理士と相談のうえ、
→「子ども名義の預金は贈与済み」
として、相続財産に含めず申告
■ 税務調査
申告から約1年後、税務調査が入ることになった
■ 調査官の着眼点
・父の口座から定期的に資金移動
・子ども口座の入出金がほぼない
→「実質は父の財産では?」
■ ヒアリング
調査官:「通帳は誰が管理していましたか?」
長男:「父です」
調査官:「自由に使っていましたか?」
長男:「いいえ」
■ 結論
贈与は成立していない(名義預金と判断)
■ 修正内容
子ども名義の預金 約2,000万円を
→相続財産に加算
■ 追徴課税
・本税:約400万円
・加算税・延滞税含め合計:約500万円超
■ このケースの本質
「贈与したつもり」と「贈与が成立している」は別
■ 名義預金と見られないようにするには
・贈与契約書を作成
・通帳を本人が管理し、実際に使える状態にする
