【親なきあと対策 第14回】 将来の「住まい」を考えましょう ~グループホーム・一人暮らし・施設入所、それぞれの選択肢~
「親がいなくなった後、この子はどこで暮らすのだろう。」
障害のあるお子さんを持つ親御さんから、最も多く寄せられるご相談の一つです。
住まいは、毎日の生活の基盤となる大切なものです。
だからこそ、「親なきあと」を考えるときには、財産や制度だけでなく、将来どこで、誰と、どのように暮らしていくのかを考えることが欠かせません。
今回は、代表的な住まいの選択肢についてご紹介します。
「親と暮らし続ける」は永遠ではありません
現在は親御さんと一緒に生活していても、いつかはその生活が変わる日が訪れます。
親御さんが高齢になれば、
・入院することもあります。
・介護が必要になることもあります。
・思うようにお子さんを支えられなくなることもあります。
そのため、「まだ大丈夫」と思っているうちから、将来の住まいについて考え始めることが大切です。
グループホームという選択肢
現在、最も利用されることが多い住まいの一つがグループホーム(共同生活援助)です。
障害のある方が、世話人などの支援を受けながら共同生活を送る住まいです。
グループホームのメリット
・日常生活の支援を受けられる
・規則正しい生活を送りやすい
・他の利用者との交流がある
・将来、親がいなくなっても生活を継続しやすい
生活面での安心感があり、「親なきあと」の住まいとして選ばれることが多くなっています。
注意しておきたい点
一方で、
・空きが少なく、入居まで時間がかかることがある
・支援体制は事業所によって異なる
・集団生活が合わない方もいる
といった点もあります。
そのため、見学や体験利用を通して、お子さんに合った環境かどうかを確認することが大切です。
一人暮らしという選択肢
近年では、福祉サービスを利用しながら一人暮らしをされる方も増えています。
例えば、
・居宅介護(ホームヘルプ)
・訪問看護
・相談支援
・見守りサービス
などを組み合わせることで、自立した生活を目指すことができます。
一人暮らしは自由度が高い反面、
・金銭管理
・体調管理
・緊急時の対応
などについて、十分な支援体制を整えておく必要があります。
施設入所という選択肢
障害の程度や健康状態によっては、障害者支援施設などへの入所が適している場合もあります。
施設では、24時間体制で支援を受けられることが多く、医療的ケアが必要な方や、日常生活に多くの支援が必要な方にとって安心できる環境です。
一方で、
・入所まで待機期間がある場合がある
・希望する施設に入所できるとは限らない
などの課題もあります。
早めに情報収集を始めることが大切です。
「どこで暮らすか」より「どう暮らしたいか」
住まいを考えるときは、
「グループホームが良い。」
「施設が安心。」
というように決めるのではなく、
「お子さんがどのような生活を送りたいのか」
を中心に考えることが大切です。
例えば、
・人と一緒に暮らすことが好きなのか。
・一人で落ち着いて生活したいのか。
・日中はどのように過ごしたいのか。
こうした希望も大切な判断材料になります。
元気なうちに体験してみましょう
住まい選びで特におすすめしたいのが、体験利用や見学です。
親御さんが元気なうちに、
・グループホームを見学する
・短期間の体験入居を利用する
・ショートステイを経験する
など、お子さんが新しい環境に慣れる機会を作ることをおすすめします。
親御さんも実際の様子を見ることで、
「思っていたより安心できる。」
「この環境なら任せられそう。」
と感じられることが少なくありません。
また、お子さん自身も、「家以外で暮らす」という経験が、将来への自信につながります。
支えてくれる人とのつながりも大切です
住まいは建物だけではありません。
そこで支えてくれる人とのつながりも、とても大切です。
例えば、
・グループホームの職員
・相談支援専門員
・日中活動先の職員
・地域の支援機関
・医療機関
こうした方々との関係を、親御さんが元気なうちから築いておくことで、「親なきあと」の生活もより安心したものになります。
住まい探しは早めの準備が安心です
「まだ親は元気だから。」
「今すぐ必要ではないから。」
そう考えているうちに、時間はあっという間に過ぎてしまいます。
グループホームや施設は、希望してすぐに利用できるとは限りません。
そのため、情報収集や見学は、できるだけ早く始めることをおすすめします。
準備を早く始めるほど、お子さんに合った住まいを選べる可能性も高くなります。
まとめ
住まいは、お子さんの将来の生活を支える大切な基盤です。
グループホーム、一人暮らし、施設入所など、それぞれに特徴があります。
大切なのは、「どれが正しいか」ではなく、お子さんにとって安心して暮らせる場所を、ご家族や支援者と一緒に考えていくことです。
親御さんが元気な今だからこそ、見学や体験利用を通して、将来への準備を少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
次回予告
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