【親なきあと対策 第13回】 障害年金・福祉サービスをもう一度確認しましょう ~利用できる制度を知ることが、お子さんの将来の安心につながります~
これまでの連載では、遺言書や家族信託、成年後見制度など、親なきあと対策に役立つ制度についてご紹介してきました。
しかし、親なきあと対策は、それだけでは十分ではありません。
お子さんが将来も安心して生活していくためには、現在利用できる障害年金や福祉サービスを正しく理解し、必要な支援を継続して受けられるよう準備しておくことが大切です。
今回は、親御さんにぜひ確認していただきたいポイントをご紹介します。
障害年金は生活を支える大切な制度です
障害年金は、障害のある方の生活を支える重要な公的制度です。
この年金は、「働いていない人が受け取るもの」ではなく、障害によって生活や仕事に制限がある方を支えるための制度です。
障害の程度によって支給額は異なりますが、お子さんが将来生活していくうえで、大切な収入の一つになります。
まずは、
・現在受給しているか
・障害等級は何級か
・更新時期はいつか
を確認しておきましょう。
更新手続きを忘れないことが大切です
障害年金には、有期認定(更新が必要)の場合があります。
更新時期を過ぎてしまうと、年金の支給に影響が出ることがあります。
親御さんが管理している場合は、
・更新時期
・必要な書類
・主治医への依頼時期
などを記録しておきましょう。
「親なきあとノート」に記載しておくこともおすすめです。
利用している福祉サービスを整理しましょう
現在利用しているサービスを、改めて確認してみましょう。
例えば、
・居宅介護(ホームヘルプ)
・生活介護
・就労継続支援A型・B型
・就労移行支援
・短期入所(ショートステイ)
・日中一時支援
・移動支援
・計画相談支援
・グループホーム
これらのサービスは、お子さんの生活を支える大切な社会資源です。
「どのサービスを、どこの事業所で利用しているのか」を一覧にしておくと、ご家族や支援者にも引き継ぎやすくなります。
相談支援専門員とのつながりを大切に
障害福祉サービスを利用している方の多くには、相談支援専門員が関わっています。
相談支援専門員は、
・サービス等利用計画の作成
・サービスの調整
・困りごとの相談
などを行う、心強い存在です。
親御さんだけが相談するのではなく、お子さん自身も相談支援専門員との関係を築いておくことが大切です。
また、担当者の氏名や連絡先も「親なきあとノート」に記録しておきましょう。
医療・薬の情報もまとめておきましょう
日頃から通院している病院や服用している薬は、お子さんの健康管理に欠かせない情報です。
確認しておきたい内容としては、
・かかりつけ医
・病院名・診療科
・服用している薬
・薬局
・アレルギーの有無
などがあります。
これらの情報は、急な入院や災害時にも役立ちます。
各種手当や制度も確認しましょう
障害年金以外にも、自治体によって利用できる制度があります。
例えば、
・特別障害者手当
・特別児童扶養手当(対象年齢の場合)
・重度心身障害者医療費助成制度
・各自治体独自の福祉サービス
などです。
制度は自治体によって異なるため、一度お住まいの市区町村へ確認してみることをおすすめします。
「受けられる制度を知らなかった」ということがないようにしたいものです。
制度は一度利用したら終わりではありません
福祉制度は、法改正や制度改正によって内容が変わることがあります。
また、
・お子さんの年齢
・障害の状況
・家族構成
・生活環境
が変われば、利用できる制度も変わることがあります。
「数年前に確認したから大丈夫」ではなく、定期的に見直すことが大切です。
「親なきあとノート」に記録しておきましょう
今回ご紹介した内容は、親御さんだけが知っていては十分ではありません。
親亡きあと、お子さんを支える方が困らないよう、
・障害年金
・福祉サービス
・医療情報
・支援機関
・緊急連絡先
などを「親なきあとノート」にまとめておくことをおすすめします。
必要な情報が整理されているだけで、ご家族や支援者の負担は大きく軽減されます。
一人で抱え込まないことも大切です
「親が元気なうちは、何とかなる。」
そう思っているうちに、時間はあっという間に過ぎていきます。
親なきあと対策は、親御さんだけが頑張るものではありません。
相談支援専門員や福祉事業所、行政、そして専門家と連携しながら、お子さんを支える体制を整えていくことが大切です。
少しずつでも準備を進めていけば、お子さんだけでなく、ご家族も安心して将来を迎えることができます。
まとめ
障害年金や福祉サービスは、お子さんの生活を支える大切な制度です。
制度を利用するだけではなく、内容を理解し、必要な情報を整理し、将来に引き継げるよう準備しておくことが重要です。
「親なきあと」に備える第一歩は、今利用している制度をもう一度確認することから始まります。
ご家族みんなが安心して将来を迎えられるよう、できることから少しずつ準備を進めていきましょう。
次回予告
第14回「住まいをどう考える?~グループホーム・一人暮らし・施設入所という選択肢~」
「親がいなくなった後、この子はどこで暮らすのだろう。」
これは、多くの親御さんが抱える大きな不安です。
次回は、グループホーム、一人暮らし、施設入所など、それぞれの特徴やメリット・注意点をわかりやすくご紹介します。
