【相続・遺言 第30回】生前贈与の活用 ~どこまで使うと効果的か?具体例で解説~
相続対策の有効な方法として生前贈与があります。
しかし、むやみにやることにより、損をすることもあり注意が必要です。
■ 生前贈与の基本
① 暦年課税(一般的な贈与)
→ 年間110万円まで相続税はかかりません。
② 相続時精算課税制度
→ 累計2,500万円まで相続税はかかりません。
■ 具体例①:コツコツ贈与(暦年課税の場合)
【前提】
・子2人
・毎年110万円ずつ10年間贈与
→ 110万円 × 2人 × 10年= 2,200万円
結果として相続財産が2,200万円減る
※ただし相続税に持ち戻す期間が設定されています。
現在は段階的に延長されています。
原則:死亡前7年以内の贈与が持ち戻しとして、相続税に加算されます。
※経過措置あり
つまり、直前の贈与は相続税対策として効果が薄れる可能性があります。
今回のケースでは
110万円 × 2人 × 7年 - 100万円=1,440万円が相続税に加算されます。
(期間が経過し、死亡前7年以内の贈与が持ち戻しとなった場合)
そのため、早く始めた人が圧倒的に有利といえます。
■ 具体例②:相続時精算課税を使った場合
【前提】
・子2人
・毎年110万円ずつ10年間贈与
→ 110万円 × 2人 × 10年= 2,200万円
■ 相続時精算課税とは?
生前贈与した財産をすべて相続時にまとめて精算する制度です。
■ ポイント
・累計 2,500万円まで非課税ですが、最終的には相続財産に加算されます。
ただし、毎年110万円の基礎控除が別枠で使えるという利点があります。
■ 今回のケースに当てはめる
毎年の内訳はこうなります:
・110万円 × 2人 × 10年=2,200万円
しかし、毎年110万円以内なので贈与税、相続財産への加算ともに0円
■ 暦年贈与との比較
● 暦年贈与
・持ち戻し:1,440万円
👉 実質効果:760万円
● 相続時精算課税
・持ち戻し:0円
👉 実質効果:2,200万円
■ ただし相続時精算課税では注意が必要
・一度選択すると暦年贈与に戻れない
・将来値上がりする財産に向いている
・年110万円を超過した贈与は相続税がかかる
◆ 結論 制度の違いを理解して使い分けるのが正解と言えます。
