【相続・遺言 第22回】これではダメ!NG遺言の具体例 ~無効・トラブルになる典型パターン~

遺言書は、「書けば安心」というものではありません。
実務では、せっかく作ったのに使えない遺言書が少なくありません。

今回は、実際によくあるNG事例を紹介しながら、回避方法を解説します。

NG例① 日付が不正確で無効

事例

「令和〇年〇月吉日」と記載されていた。

何が問題か

日付が特定できないため、遺言書自体が無効になる可能性があります。

対策

・「令和〇年〇月〇日」と明確に記載する

NG例② パソコンで作成している

事例

全文をパソコンで作成し、印刷して署名のみしていた。

何が問題か

現在、自筆証書遺言は、原則すべて手書きが必要です。

(※財産目録を除く)

対策

・本文は必ず自筆で記載する


NG例③ 財産の記載が曖昧

事例

「預金は長男に相続させる」とだけ記載

何が問題か

どの預金か特定できず、争いの原因になる

対策

・銀行名、支店名、口座番号まで明記


NG例④ 内容があいまい・抽象的

事例

「家族で仲良く分けること」

何が問題か

具体的な分割方法が不明で、結局、遺産分割協議が必要になる

対策

・誰に何を渡すかを明確に記載


NG例⑤ 押印・署名の不備

事例

署名はあるが押印がない

何が問題か

形式不備により、無効となる可能性がある

対策

・署名+押印を必ず行う

NG例⑥ 遺留分を無視した内容

事例

「すべての財産を長男に相続させる」

何が問題か

他の相続人が、遺留分侵害額請求を行う可能性がある

対策

・バランスを考慮する
・理由(付言事項)を記載する

NG例⑦ 遺言執行者がいない

事例

遺言執行者の指定がない

何が問題か

・手続きに時間がかかる
・相続人間で調整が必要

かなり負担が増えます。

対策

・信頼できる遺言執行者を指定する


NG例⑧ 法務局保管だけで安心している

事例

形式は整っているが内容に問題がある遺言

何が問題か

法務局の保管制度は、内容のチェックまでは行いません

対策

・事前に専門家が内容を確認する

NG例⑨ デジタル遺言を自己流で作成

事例

スマホやパソコンで作成し保存しただけ

何が問題か

現時点では、法的に有効な遺言とは認められない可能性が高い

対策

・必ず現行法に沿った形式で作成する

「形式は合っているが内容が危険」
「内容は良いが形式が不備」

というケースが非常に多く見られます。

行政書士は、

・法的に有効な形に整える
・トラブルにならない内容設計
・ご家庭ごとの事情に合わせた提案

を行い、確実に使える遺言書の作成を支援します。


まとめ

遺言書は、「書いたかどうか」ではなく、「正しく機能するかどうか」がすべてです。

もし、

・自分の遺言書が有効か不安
・一度書いてみたがこれでいいか分からない

という場合は、一度専門家に確認するだけでも大きな安心につながります。