【相続・遺言 第28回】配偶者の税額軽減について

相続税の計算でよくあるのが、
「配偶者がいると相続税がかからない」という話です。
これは、 配偶者の税額軽減(配偶者控除)という特例によるものです。

■ 制度の概要
 配偶者が取得した財産については、次のいずれか多い金額まで相続税がかかりません

 ① 1億6,000万円
 ② 配偶者の法定相続分相当額

 つまり、かなりの金額まで非課税になる仕組みです。

【ケース①】
・相続財産:1億円
・相続人:配偶者のみ

・配偶者がすべて相続する場合
 → 1億円 < 1億6,000万円
  よって相続税:0円

【ケース②】
・相続財産:2億円
・相続人:配偶者+子1人
・法定相続分
 配偶者:1/2 → 1億円
 子:1/2 → 1億円

・ 配偶者の非課税枠は
 ① 1億6,000万円
 ② 法定相続分 → 1億円
 多い方 が適用→ 1億6,000万円

分け方別の結果
配偶者が1億円取得 → 全額非課税 → 税金0円
配偶者が1億6,000万円取得 → 全額非課税 → 税金0円
配偶者が1億8,000万円取得 → 超えた2,000万円に課税

ケース③(典型例)

・相続財産:1億5,000万円
・配偶者+子2人

・配偶者が全額取得する場合
 → 1億5,000万円 < 1億6,000万円 → 税金0円

■ 最大の注意点

二次相続の問題を考えることが重要
配偶者が多く相続すると、次の相続(配偶者死亡時)で税金が増えることが一般的です。

具体例

【一次相続】
 夫死亡 → 妻が全部取得 → 税額0円

【二次相続】
 妻死亡 → 子だけが相続ため

・基礎控除が減る
・配偶者控除が使えない
よって税額が一気に増える

結論
一次相続で節税しすぎると、二次相続で損することがある

■ どう分けるのがよいか?
正解は一つではなく家族構成・財産額・年齢で変わります。
専門家にご相談されることをおすすめします。

次回は、「二次相続対策」について解説します。