【相続・遺言 第29回】二次相続対策 ~どのくらい税額が変わる?具体例で解説~
「配偶者の税額軽減で0円にできるなら安心」と思いがちですが、
実はここに大きな落とし穴があります。
それが二次相続です。
■ 二次相続とは?
例えば
・父が死亡(一次相続)
・その後、母が死亡(二次相続)
→この「2回目の相続」が二次相続です。
■ なぜ税額が増えるのか?
△基礎控除が減る
一次相続:配偶者+子2人 → 3人 →→ 4,800万円
二次相続:子2人のみ → 2人 →→ 4,200万円
△ 配偶者の税額軽減が使えない
二次相続では配偶者がいないため使えません
結果
同じ財産でも税額が大きく増えます
■ 具体例で比較
【前提】
・総財産:1億2,000万円
・相続人:配偶者+子2人
ケース①:配偶者がすべて相続(よくあるパターン)
【一次相続】
・配偶者が1億2,000万円取得
→配偶者の税額軽減により相続税:0円
【二次相続】
・財産:1億2,000万円
・相続人:子2人 → 基礎控除:4,200万円 →→ 課税対象:7,800万円
相続税(概算)… 約 1,000万円前後
ケース②:一次相続で分散する
【一次相続】
・配偶者:8,000万円
・子2人:各2,000万円
→配偶者の税額軽減により相続税:0円
→子1人あたり:約50万~100万円前後の相続税がかかる。
【二次相続】
・財産:8,000万円
・相続人:子2人 → 基礎控除:4,200万円 →→ 課税対象:3,800万円
相続税(概算):約400万円前後
◆ トータルでの比較
ケース①(全部配偶者)
・一次:0円
・二次:約1,000万円
合計:約1,000万円
ケース②(分散)
・一次:約100万~200万円
・二次:約400万円
合計:約500万~600万円
◆ 結論
ケース②では、
→一次相続で子に課税されるのは事実
しかし、トータルでは大幅に節税になる
■ さらに差が広がるケース
・財産が多い(2億円以上など)
・不動産が多い
・子が少ない
このような場合、差額が1,000万円以上になることもあります。
つまり、バランスが重要です。
配偶者の生活資金や二次相続の税負担等を踏まえて最適な分け方を設計することが大切です。
次回は、「生前贈与の活用」について解説します。
