【第3回】高齢の親の預金管理をどうするか ― 家族信託でできる財産管理
事例
Cさん(83歳)は一人暮らしをしています。
近くには長女が住んでおり、生活のサポートをしています。
最近、Cさんは
・銀行に行くのが大変
・振込の操作がよくわからない
・通帳やキャッシュカードをどこに置いたか忘れてしまう
といったことが増えてきました。
そこで長女は、
「私が母の預金を管理した方がいいのではないか」
と考えるようになりました。
しかし銀行に相談すると、
「家族であっても、本人以外が自由に口座を管理することはできません」
と言われてしまいました。
問題になりやすいポイント
多くの方が誤解しがちですが、
家族だからといって、本人の預金を自由に管理できるわけではありません。
例えば、
・キャッシュカードを預かってお金を引き出す
・本人の代わりに振込をする
といった行為は、銀行としては正式な手続きとは認められないため、
思わぬトラブルにつながるおそれがあります。
また、銀行が
「本人の判断能力が低下している可能性がある」
と判断した場合、
口座の取引が制限されることもあります。
その結果、
・生活費が引き出せない
・介護費用が払えない
といった問題が生じることもあります。
行政書士としての提案
このような場合、家族信託による財産管理を検討することができます。
例えば、Cさんが元気なうちに
財産を託す人(委託者)・・・Cさん
財産を管理する人(受託者)・・・長女
という形で家族信託の契約を結びます。
そして、信託専用の口座を作り、
そこに生活費などを移して管理する仕組みを作ります。
こうすることで、長女は信託契約に基づいて
・生活費の支払い
・介護費用の支払い
・必要な振込手続き
などを行うことができるようになります。
まとめ
高齢になると、
銀行の手続きそのものが大きな負担になることがあります。
しかし、家族でも自由に預金を管理できるわけではありません。
家族信託を利用することで、
家族による適切な財産管理の仕組みを作ることができます。
元気なうちに準備しておくことが、将来の安心につながります。
