【成年後見シリーズ第10回】任意後見と法定後見は何が違うのか
事例
Kさん(78歳)は、将来の備えについて家族と話し合っていました。
最近、友人が認知症になり、家庭裁判所で成年後見人が選ばれたという話を聞いたからです。
Kさんは以前、任意後見制度についても聞いたことがあります。
そこで家族から次のような質問が出ました。
「任意後見と法定後見は何が違うのだろう」
「どちらを選べばよいのだろうか」
制度の名前は似ていますが、
実際には仕組みや利用するタイミングが大きく異なります。
問題になりやすいポイント
成年後見制度には、大きく分けて次の2つがあります。
① 任意後見
② 法定後見
この2つの大きな違いは、
後見人を誰が決めるかという点です。
任意後見では、本人が元気なうちに
自分で後見人を決めて契約することができます。
一方、法定後見では、判断能力が低下した後に
家庭裁判所が後見人を選ぶことになります。
そのため、
・自分で後見人を選びたいのか
・すでに判断能力が低下しているのか
によって、利用する制度が変わってきます。
行政書士としての提案
将来の備えを考える場合には、
元気なうちに任意後見契約を検討することが一つの方法です。
任意後見契約を結んでおけば、
・誰に後見人をお願いするか
・どのようなサポートをしてもらうか
などを自分で決めることができます。
一方、すでに判断能力が低下している場合には、
任意後見契約を結ぶことはできません。
その場合には、家庭裁判所に申し立てをして
法定後見制度を利用することになります。
つまり、
任意後見は「将来の備え」
法定後見は「すでに必要になったときの制度」
という違いがあります。
なぜ家族信託ではなく任意後見なのか
家族信託は、財産の管理や承継を目的とした制度です。
一方、任意後見や法定後見は、
・介護サービスの契約
・施設入所契約
・生活に関するさまざまな手続き
など、生活全体を支える制度です。
そのため、
・将来の生活全体のサポートを考えたい
・判断能力が低下した場合の備えをしたい
という場合には、
任意後見制度が重要な役割を持つことになります。
状況によっては、
・家族信託
・任意後見
を組み合わせて準備するケースもあります。
まとめ
成年後見制度には、
任意後見と法定後見の2つがあります。
任意後見は、元気なうちに
自分で後見人を決めておく制度です。
一方、法定後見は、
判断能力が低下した後に
家庭裁判所が後見人を選ぶ制度です。
将来の安心のためには、
元気なうちから制度を理解し、
早めに準備をしておくことが大切です。
