【第4回】共有名義の不動産トラブル ― 家族信託で事前に防ぐ
事例
Dさん(70歳)は、地方にある実家を兄と共有しています。
現在は空き家となっており、将来的には売却も検討しています。
しかし、Dさんにはこんな不安があります。
「もし自分や兄が認知症になったら、実家はどうなるのだろうか」
共有名義のため、
・売却するにも
・解体するにも
お互いの同意が必要です。
そのため、どちらか一方でも判断ができなくなると、手続きが進められなくなる可能性があります。
問題になりやすいポイント
不動産が共有名義になっている場合、
全員の同意がないと処分ができない
というルールがあります。
そのため、
・共有者の1人が認知症になる
・連絡が取れなくなる
といった場合には、不動産が事実上処分できなくなる
という問題が生じます。
この場合、成年後見制度を利用する方法もありますが、
・家庭裁判所の関与が必要
・柔軟な売却判断が難しい
といった制約があります。
行政書士としての提案
このような場合には、家族信託を活用することで、
将来の管理・処分をスムーズに行える仕組みを作ることができます。
例えば、
・Dさんが自分の持分を信託する
・受託者を信頼できる子どもなどにする
ことで、将来、Dさんの判断能力が低下した場合でも、
受託者が不動産の管理や売却を行うことが可能になります。
さらに、兄も同様に信託を利用すれば、
共有不動産全体を一体的に動かせる状態
を作ることもできます。
まとめ
共有名義の不動産は、
・相続
・認知症
といった問題が重なることで、
動かせない財産になるリスクがあります。
家族信託を活用することで、
将来に備えて、管理や処分をスムーズに行える体制を整えることができます。
空き家や共有不動産をお持ちの方は、早めの対策を検討することが重要です。
