【相続・遺言 第21回】失敗しない遺言書の作り方

遺言書は、家庭の状況によって最適な内容が大きく変わります。
今回は、特にご相談の多い3つのケースについて、実務目線で分かりやすく解説します。

ケース① 子どもがいない夫婦の場合

よくある誤解

「配偶者がすべて相続するから大丈夫」

これは誤りです。

実際はどうなるか

子どもがいない場合、

・配偶者
・兄弟姉妹(またはその子)

が相続人になります。

トラブルの典型例

・配偶者が自宅を相続できない
・疎遠な兄弟姉妹と話し合いが必要になる

遺言書での対策

・「全財産を配偶者に相続させる」と明記
・遺言執行者を指定

これだけで大半の問題は回避できます。

ポイント

兄弟姉妹には遺留分がありませんので、遺言の効果が非常に大きいです。

ケース② 再婚・前婚の子どもがいる場合

特徴

・相続人同士に面識がないことが多い
・感情的対立が起きやすい

よくあるトラブル

・後妻と前妻の子が対立
・遺産分割がまとまらない

👉 非常に揉めやすいケースです。

遺言書での対策

・具体的な分け方を明確にする
・理由(付言事項)を記載する

例:「長年支えてくれた配偶者に配慮したもの」など

ポイント

なぜその分け方なのかを伝えることが重要です。

ケース③ 不動産が多い場合

特徴

・分割しにくい
・評価が難しい

よくあるトラブル

・誰が取得するかで対立
・売却か維持かで意見が分かれる

遺言書での対策

・取得者を明確にする
・代償金の考え方を示す

例:長男が自宅を取得し、他の相続人に金銭を支払う

ポイント

分け方だけではなく、処理方法まで決めることが重要です。

共通する重要ポイント

どのケースでも共通するのは、

曖昧にしないで具体的に書く。

全相続人への感情への配慮として、理由を伝える。

使える内容にする。

行政書士は、

・家族関係の整理
・最適な分け方の設計
・トラブル予防の視点

を踏まえて、それぞれのご家庭に合った遺言書の作成を支援します。

まとめ

遺言書は、「誰に何を渡すか」だけでなく、「どうすれば揉めないか」を考えて作るものです。

もし、

・自分のケースに当てはまるか分からない
・どう書けばいいか迷っている

という場合は、 早めに専門家へ相談することが最も確実な対策です。