【相続・遺言 第20回】遺言書の具体的な書き方 ~失敗しない基本と実例~

今回は、具体的な書き方を分かりやすく解説します。

1.自筆証書遺言の基本ルール

自筆証書遺言は、次の要件を満たす必要があります。

必須要件

・全文を自分で手書きする
・日付を正確に書く(例:令和◯年◯月◯日)
・署名をする
・押印をする

一つでも欠けると無効になる可能性があります。

※なお、財産目録(不動産一覧や預金一覧)はパソコン作成でも可能ですが、
各ページに署名・押印が必要です。

2.基本構成

自筆証書遺言は、次の流れで書くと分かりやすくなります。

タイトル

遺言書

本文(誰に何を渡すか)

 例:私は、下記のとおり遺言する。

 1.長男 ○○○○ に対し、下記不動産を相続させる。
  所在:〇〇市〇〇町〇丁目〇番
  地番:〇番〇

 2.長女 ○○○○ に対し、下記預金を相続させる。
   〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇

その他の記載

 ・遺言執行者の指定(重要)

 例:本遺言の執行者として、○○○○を指定する。

日付・署名・押印

 令和〇年〇月〇日
 住所
 氏名(自署) 印

3.書き方のポイント

ポイント①「特定」できるように正確に書く

 ・不動産 → 登記簿どおりに記載
 ・預金 → 銀行名・支店・口座番号

 ※曖昧だと手続きで使えません。

ポイント②「誰に何を」がを明確に書く

 NG例:「財産を仲良く分けること」

 これでは使えません。

ポイント③遺言執行者を必ず入れる

 遺言執行者がいると、

 ・手続きがスムーズ
 ・金融機関対応がしやすい

 ほぼ必須です。

4.よくある失敗例

 ・日付が「令和〇年〇月吉日」
 ・押印がない
 ・財産の記載が不十分
 ・訂正方法が間違っている

 書いたのに使えないケースが非常に多いです。

5.法務局保管制度を利用する場合

 自筆証書遺言は、法務局で保管することができます。

 これにより、

 ・紛失・改ざん防止
 ・検認不要

 といったメリットがあります。

 ただし、内容のチェックはされません。

6.行政書士に依頼するメリット

 「形式は合っているが内容に問題がある」ケースが多く見られます。

 行政書士に依頼すると、

 ・法的に有効な形に整える
 ・トラブルにならない内容設計
 ・遺言執行まで見据えた提案

 使える遺言書を作成できます。

まとめ

遺言書作成のポイントは、

 ・形式を守る
 ・内容を明確にする
 ・実務で使える形にする

 そして何より、「残された家族が困らないこと」が最も重要です。

 「自分で書けそう」と感じた方も、一度専門家に確認することで、安心感が大きく変わります。

 遺言書は、確実に活かすことが重要です。