【第2回】「後見・保佐・補助」はどう変わる?

― 補助を中心にした新しい制度の考え方 ―

現行の法定後見制度には、
後見・保佐・補助という3つの類型があります。

簡単に言うと、

・後見:判断能力を欠く常況にある方

・保佐:判断能力が著しく不十分な方

・補助:判断能力が不十分な方

と、判断能力の程度によって分かれています。

しかし実務では、
「どの類型に当てはまるのか分かりにくい」
「類型が決まると、必要以上の制限がかかる」
といった問題が生じていました。

要綱案(案)(1)では、この点について大きな方向転換が示されています。

それは、形式的な類型よりも、実際に必要な支援内容を重視するという考え方です。

特に注目されているのが、「補助」を中心とした制度設計です。

補助は、

・本人の判断能力を前提としつつ

・必要な行為についてだけ代理権や同意権を付与する

という、最も柔軟な制度です。

改正の方向性としては、
「後見か、保佐か」と決めるのではなく、
「どの行為について、どのような支援が必要か」
を個別に判断する仕組みへ近づけていこう、というものです。

これは、成年後見制度を
「一律の管理制度」から「オーダーメイドの支援制度」へ
変えていこうとする試みだと言えるでしょう。

成年後見制度は、
「使う・使わない」を二者択一で決めるものではありません。

今回ご紹介したように、
どの行為に、どの程度の支援が必要なのか
を整理することが、とても重要です。

「後見を使うほどではない気がする」
「家族だけで対応できるか迷っている」

そう感じている方こそ、一度立ち止まって整理してみる価値があります。
当事務所では、制度ありきではなく、
その方に合った選択肢を一緒に考えるご相談を行っています。