一人暮らしをしている父親が認知症と診断されました。家族は何ができますか?

 「病院で認知症と診断された」と聞くと、多くの方が強い不安を感じます。
しかし、認知症と診断されたからといって、すぐに何もできなくなるわけではありません。
 まず大切なのは、「どこまで自分で判断し・生活ができているか」を冷静に見極めることです。

① 「診断名」よりも「判断能力の程度」が重要です。

 たとえば、
 ・日常生活は一人でできている
 ・お金の話をすると混乱する
 ・契約内容の理解が難しい
  など、できること・できないことは人によって大きく違います。

② まだ意思表示ができるなら「任意後見」を早急に考えましょう。

 認知症と診断されていても、
 ・会話が成り立つ
 ・自分の将来について理解し、判断できる
  という状態であれば、任意後見制度が使える可能性があります。

 任意後見は、
 ・本人が内容を理解できなければ契約できない
 ・判断能力がさらに低下すると利用できない
  という条件があります。

 そのため、利用する場合は早急に考える必要があります。

③ 一人暮らしでリスクが高い場合は「法定後見」を視野に入れましょう。

 次のような状況が見られる場合は、法定後見制度の検討が必要になります。
 ・家賃や公共料金を滞納している
 ・不要な契約を繰り返している
 ・通帳や印鑑の管理ができない
 ・詐欺被害に遭っている、またはその危険が高い

 法定後見制度では、家庭裁判所が後見人等を選び、
 ・財産管理
 ・契約の取消し
 ・生活の法的な支援 
  などを行います。

④家族だけで抱え込まないことが大切です。

 問題が表面化したときには、すでに深刻化していることも少なくありません。
 ・判断能力の見極める
 ・任意後見か法定後見か判断する

 そのために、早めに専門家へ相談することが、結果的に本人を守ることにつながります。